年8回ペーでお送りしています。
その中の記事「担当編集に聞く」では、新刊ができるまでの裏話を、
担当編集者に聞いてます。
毎回、「そういう風に企画したのか」とか、「この著者さんって、こんな方なのね」
といった発見があって、個人的にお勧めのコーナーです。
さて、このコーナー、コンテンツが結構たまってきましたので、
このブログでもちょっとずつご紹介します。
今回は、『明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか』(大島幹雄著)です。
担当編集者Tに聞きました。
Q1 明治時代、外国で活躍していたサーカス芸人がいた、ということにまず驚いたのですが…。
A1 もともと日経新聞に出ていた著者・大島さんのサーカス研究についての記事が興味深く、お会いしてお話を伺ったのがこの企画の出発点です。海外では有名だったのに、歴史に埋もれてしまった無名の日本人サーカス芸人がいたというお話にロマンを感じて、これは良質なドキュメンタリーになると確信しました。
私も明治時代に日本人が海外でサーカスをやっていたなんて想像がつきませんでした。大島さんによると、幕末の開港とともに世界に出て行った人々の中に、数多くの芸人がいたそうです。
Q2 本文に出てくる、サーカスの写真が凄いですね。今のサーカスでもめったに見られないのでは?
A2 「究極のバランス」という芸が本文中に出てきます。これは綱渡りをしている人物の額の上に7メートルの竿を乗せて、さらにその上に人間を乗せるという、人間離れした芸です。あまりにも高度なテクニックを必要とし、危険さが伴うため、現代のサーカスでは再現不可能だそうです。まさに幻の芸を写した、とても貴重な写真だと思います。
Q3 表紙カバー、目を引くデザインです。意識した点は?
A3 古い写真をメインに使うので、ややもすると地味なデザインになってしまいそうでした。そこで現代っぽさと明るさを出したい、とデザイナーに相談したところ、赤い縁取りのアイデアをいただき、鮮やかなデザインに仕上げることができました。
Q4 最後に、本書の読みどころを教えてください。
A4 本書の冒頭で古い3枚の写真が提示されます。そこに写っているのは「イシヤマ」「タカシマ」「シマダ」という謎の芸人。最初の情報はそれしかないのですが、読み進めるにしたがってだんだん写真の人物像がはっきりしてきます。そして彼らをつなぐ、ヤマダサーカスという大きな存在が見えてくるのです。読み終わったときには、ロシアに生きたサーカス芸人たちの姿が生き生きと見えてくることでしょう。
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明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか [単行本] / 大島幹雄 (著); 祥伝社 (刊)
